2025.11.19
11 月18 日(火)に、新宿バルト9にて完成披露上映会 舞台挨拶を開催しました!
上映前の舞台挨拶には、吉井和哉さんと、エリザベス宮地監督が登壇。

映画上映前、ステージにふたりが登壇すると会場からは⼤きな歓声が。
「こんばんは!」とあいさつする吉井さんに向けて、会場からは⼤きな拍⼿がわき起こりました。
本作を制作するにあたり、2022 年頃から500 時間以上、宮地監督はずっとカメラを離さずに吉井さんを撮影していたといい、「残りの映像は僕の家のハードディスクにあります。最初ラフに編集した時は50 時間でした」と述懐。
すかさず吉井さんも「それは特典映像で。⼊浴シーンもありますよね」と冗談めかし、会場は⼤笑い。
しかしそもそもこの企画は映画化を前提としたものではなかったそうで、吉井さんがポリープの治療でライブ活動を休⽌していた時期に、「何かソロアルバムを作るにあたって、⾃分の半⽣を振り返るようなショートドキュメントを」というアイデアからスタートしたものだったとのことです。

その撮影の途中で⾃⾝の体に異変が⾒つかり、「喉の状況の雲⾏きが怪しくなってきちゃって。監督にはLINEで伝えました。『がんになっちゃいました(笑)』みたいな感じで」と笑顔で語る吉井さんに対して、宮地監督も「本当にそんな感じだったんで、ビックリしちゃったんですけど」と振り返りました。
しかしそこで何かを変えることはなく、「でも死ぬわけじゃないらしいので、このまま撮影を続けてくださいということはお伝えしました。ちょうどその頃にBiSH の解散ラストシングルの話が来て。たまたま監督がBiSHのドキュメンタリーを撮っていたんです」と振り返った吉井さん。
しかし宮地監督⾃⾝はこの偶然のつながりについて把握していなかったとのことで、「BiSH は2017 年ぐらいからずっと撮っていたんですけど、吉井さんにBiSHからオファーがいったというのは、吉井さんから聞いたんです」と明かしました。
「確かに僕が吉井さんのドキュメンタリーを撮っているということをBiSH側に伝えてなかったので。そこがたまたま結びついたんです」と語るなど、運命的な結びつきに感慨深い様⼦でした。
また宮地監督は吉井さんのドキュメンタリーを撮るにあたり、「最初はすごく緊張していたんですけど、吉井さんは最初からフレンドリーに接してくれた」と振り返りました。
そのやり取りはマネジメントを介さず、吉井さんと宮地監督が直接やり取りを⾏ったのだとか。
劇中では、助⼿席に乗った宮地監督が、運転する吉井さんの姿を映すシーンがしばしば登場。
それは吉井さんが宮地監督を⾞で迎えに来たところで撮影したものだったとのことです。吉井さんも「⾃分の⾞もありますけど、最後の⽅はレンタカー。⾃分で⼿配して借りてますからね。僕が⾞のまわりの傷もチェックしましたからね……なんだか急に腹が⽴ってきた。普通こういうのはマネジメント側が⽤意しますよね」と冗談めかしながらも訴えかけて、会場は笑いに包まれました。
そんなプライベート感あふれる静岡での撮影でしたが、登場する同級⽣や⺟親への取材もすべて当⽇にアポをとったものだったそうです。
「同級⽣も何⼈か出てもらってるんですけど、全部当⽇アポです。絶対暇だろうと思ったんで。⺟親にも当⽇に連絡したら『まだ⽚付けてないから困る!』とめっちゃキレられました」と振り返った吉井さん。
さらに「実は⺟親がまだこの映画を観てないんですよ。だから俺、ドキドキしてんですよ。⼀番ダメ
出しするのは⺟親だと思うんで」と笑いながら付け加えました。
ドキュメンタリーでありながらも、どこかで筋書きが決まっていたかのような不思議な展開を⾒せる本作。
吉井さんは「⾃分のことを追いかけてもらっていたのに、初めて観た時は、すごくワクワクしたんですよ。⾃分のことなのにそう思うんだから、おそらく皆さんも楽しんでもらえるんじゃないかなと。僕の⼈⽣のキャリアのほとんどはミュージシャンだったわけですが、この映画のためにミュージシャンになったんじゃないかと思うくらい。過去にさかのぼりながら未来に向かっているような、不思議な感じがします」とかみ締めるように語りました。
その流れで吉井さんが「宮地くんってドローン好きなんですよ。ドローン宮地というか、ドローンえもんと呼んでいたんですけど」と笑いながら切り出すと、「でもドローンというのは⾔い得て妙というか(本作のもうひとりの主⼈公である)ERO さんを俯瞰(ふかん)で⾒ていくと世界が⾒えてくるような。そういう不思議な捉え⽅をしているので。単にファンムービー的なものでもなく、ちゃんと世の中のことを俯瞰(ふかん)で⾒ている。そしてすごく今の時代を捉えてる。今、売れている⾳楽と似ているというか。僕らみたいな初⽼のふたりを撮ってるだけなのに、すごく今っぽい映画になっているんですよ。この髪型のようにね」と宮地監督の髪を指してみせて、会場をドッと沸かせました。

そんな中、「これはノロケ話ではないんですけど、撮影期間中に恋⼈だった⼥性と結婚したんです」と明かした宮地監督に会場からは祝福の拍⼿が。
その拍⼿に照れくさそうな顔を⾒せた宮地監督は「吉井さんやEROさんと撮影して、家に帰るたびに『吉井さんの撮影をするようになってから優しくなってるよ』と⾔われたことがあって、それがすごくうれしかったんです」と告⽩。「振り返ってみれば、吉井さんやERO さんの優しさをすごく思い出す3年間だったなと思っています」としみじみ付け加えました。
そんな宮地監督の朗らかな姿に吉井さんも「カメラマンの⽅ってたまにクセが強い⼈もいたりするんですけど、宮地監督はすごく品が良くて。僕はそこですごく油断してしまったというか。⾒事に後ろから抱かれてしまったというか。ERO さんだって本当は、あんな⾵に⼈を部屋に⼊れないんですよ。でもあの猛獣がフニャンとなっちゃったんで。そこを注⽬して観ていただきたいです」とコメント。
すると宮地監督が「でも僕もドローン宮地じゃないですけど、カメラが本体だなと思う時もあるんです。カメラを回さずに吉井さんと会話したことって、最近のプロモーション以外なくて。カメラが本体だったのかなと最近思います」としみじみコメント。
「(頭がカメラになっている)映画泥棒みたいな感じですね」という吉井さんのツッコミに会場は⼤いに沸きました。
そして最後のコメントを求められた宮地監督は「僕は吉井さんが、ERO さんの家でおふたりで過ごしてる時間がすごい好きで。先ほど吉井さんがおっしゃった、時間がさかのぼるような感覚というのを、撮っている僕もちょっと味わったんです。年齢とともに⼈間って変わると思うんですが、ふたりの間に流れている空気みたいなのは、昔から変わってないんだろうなと感じた瞬間があって。そこに永遠みたいな、ずっと続きそうなものを⾒た感じがあったので。きっと皆さんにも、吉井さんにとってのERO さんのような存在の⽅がいらっしゃると思います。その⼈のことをちょっとでも思い返してもらえたら幸いです」と呼びかけました。
